MRI室では強力な磁場が常時発生しているため、車いすやストレッチャー、血圧計といった備品も専用設計のものを選ぶ必要があります。一般用品を誤って持ち込むと、吸着事故や画像アーチファクトの原因となるおそれがあります。本ガイドでは、MRI室用備品を選定する際に確認すべき基本ポイントを整理しました。
MRI室に持ち込む備品は、磁性体を含まない、または磁場環境下での安全性が確認された製品を選ぶことが基本です。製品には国際的な区分表示(MR Safe/MR Conditional/MR Unsafe)が付されていることが多く、購入前に必ず確認しましょう。特に車いすやストレッチャーはフレームや車輪金具に磁性材料が使われていないか、カタログや添付文書で仕様を確認することが重要です。
MRI室用備品は用途によって求められる機能が異なります。搬送用の車いすやストレッチャーは自走式・介助式の別、耐荷重、ブレーキ方式などを確認し、検査室での動線に合わせて選定します。血圧計や器械台などの計測・診療補助機器は、磁場環境下での測定誤差が少ない設計かどうかも確認ポイントです。
MRI検査事故の多くは金属製品の誤持ち込みが原因とされています。ロッカーやハンド式金属探知器は、患者の私物管理や入室前チェックの体制づくりに役立ちます。ロッカーは非磁性素材で、施錠機能や表示の分かりやすさも選定基準になります。金属探知器は感度調整の範囲や電池駆動時間、携帯性を確認しましょう。
同じ「MRI室用」と表示されていても、対応する磁場強度(1.5T/3T)や適合機種メーカーによって仕様が異なる場合があります。また、イルリガートル台や器械台などの付帯設備は、設置環境(検査室の広さ、動線)に合わせたサイズ・可動範囲の製品を選ぶ必要があります。導入前に自施設のMRI装置の仕様書と照合することをおすすめします。
MRI室用備品は、他の部屋の備品と混在しないよう管理体制を整えることが事故防止の基本です。備品には目立つ色や専用ステッカーで識別表示を行い、他部署からの誤持ち込みを防止します。また、定期的な点検により、経年劣化による磁性部品の露出やキャスターの不具合がないかを確認しましょう。最終的な機種選定や運用ルールの策定にあたっては、医療機器管理の専門家や放射線科の担当技師に相談することをおすすめします。