MRI検査中は撮像音(傾斜磁場音)が大きく、患者様やスタッフの快適性・安全性のために耳栓の使用が推奨されています。本ガイドでは、放射線科・MRI室で使用する耳栓を選ぶ際に押さえておきたいポイントを、形状・遮音性能・衛生管理の観点から解説します。
耳栓の遮音性能は「NRR(Noise Reduction Rating)」や「SNR(Single Number Rating)」といった数値で表示されており、数値が大きいほど遮音効果が高い傾向にあります。MRI検査では撮像シーケンスによって発生する音の大きさが異なるため、施設で使用する装置の音量特性に応じた遮音性能の耳栓を選定することが望まれます。ただし遮音性能だけでなく装着感とのバランスも重要です。
耳栓には円柱型・テーパー型(先細り型)・フランジ型(傘型)など複数の形状があります。素材もフォームタイプ(低反発ウレタンなど)とシリコンタイプに大別され、それぞれ耳への圧迫感や再利用可否が異なります。フォームタイプは使い捨てが基本で衛生的に扱いやすく、シリコンタイプは繰り返し形状を変えて装着できるものもあります。患者様の耳のサイズや形状に個人差があるため、複数サイズ・形状を用意しておくと安心です。
耳栓にはコード(ヒモ)付きとヒモなしタイプがあります。ヒモ付きは紛失しにくく、検査後の回収や管理がしやすい一方、MRI室内では金属パーツの有無を必ず確認する必要があります。ヒモなしタイプはシンプルで着脱がしやすく、使い捨て運用に向いています。施設の運用フロー(一人ひとり個包装で管理するか、まとめて配布するか)に応じて選択するとよいでしょう。
MRI室で使用する医療材料は、強力な磁場環境下での安全性確認が不可欠です。耳栓自体は非磁性素材で作られている製品が一般的ですが、包装や関連器具に金属部品が含まれていないか、購入前にメーカー仕様を確認してください。また、耳栓は医療機器に該当しない一般用品として扱われる場合もありますが、検査目的や患者状態によって適切な製品選定が必要となるため、最終的な選定・使用方法については医師や臨床工学技士など専門家の判断を仰ぐことをおすすめします。
耳栓は肌や外耳道に直接触れるため、衛生管理が重要です。使い捨てタイプは検査ごとに新しいものを使用し、再使用を避けることで感染管理上のリスクを低減できます。まとめ買いする場合は、開封前の個包装状態を保てる保管場所(直射日光や高温多湿を避けた場所)を確保し、使用期限や在庫のローテーション(先入れ先出し)を意識した管理を行いましょう。箱入り数量(100〜500ペア等)が製品によって異なるため、施設の検査件数に見合った発注単位を選ぶことも効率的な在庫管理につながります。
MRI室・放射線科向け耳栓は、遮音性能・形状・素材・ヒモの有無・衛生管理のしやすさなど複数の観点から総合的に選ぶことが大切です。検査対象となる患者様の快適性とスタッフの作業効率の両方を考慮し、複数タイプをサンプルで比較検討したうえで、施設の運用フローに合った製品を選定してください。医療現場での最終的な使用可否については、必ず専門家・管理部門と相談のうえ決定することをおすすめします。