手術用手袋は術野の清潔保持と術者の手指防護を両立させる重要な消耗品です。素材やパウダーの有無、サイズ、包装形態によって使用感や適用シーンが異なるため、施設の運用や術式に合わせた選定が求められます。本ガイドでは代表的な製品ラインナップをもとに、比較・選定の観点を整理します。
手術用手袋の主な素材は天然ゴムラテックスと合成ポリマー(ニトリル・ポリイソプレンなど)に大別されます。ラテックスは伸縮性やフィット感に優れる一方、ラテックスアレルギーのリスクがあるため、アレルギー既往のあるスタッフや患者が想定される場合はラテックスフリー製品の採用を検討します。合成素材は化学耐性やアレルギーリスク低減の観点で選ばれることが多く、施設のアレルギー対応方針や使用頻度に応じて使い分けることが一般的です。
手袋にはパウダー付き(装着しやすい)とパウダーフリー(PF)の2タイプがあります。パウダーは装着補助として使われてきましたが、術野への異物混入や組織反応への懸念から、近年はパウダーフリー製品が主流になっています。採用にあたっては、施設の感染対策方針や既存の在庫構成、術式ごとの使用実績を確認し、統一運用がしやすい仕様を選ぶとよいでしょう。
手術用手袋は6.5・7.0・7.5号などサイズ展開が細かく用意されています。サイズが合わないと操作性や耐久性に影響するため、術者ごとの手のサイズに応じた発注が必要です。また、二重装着(ダブルグローブ)を行う施設では、内側にインナー手袋(コットン製など)を組み合わせる運用もあり、皮膚保護や装着感向上の目的で採用されるケースがあります。複数サイズを常備し、術者の希望に応じて選択できる体制を整えることが望まれます。
製品によって20双入り・50双入りなど包装単位が異なります。使用頻度の高い規格は50双入りなど大容量パッケージを選ぶことで発注・在庫管理の手間を減らせますが、使用頻度が低いサイズや特殊仕様は小容量パッケージの方が廃棄ロスを抑えられます。中央材料室での在庫回転率や使用実績データをもとに、規格ごとの適正な包装単位を検討することが重要です。
手術用手袋は滅菌済み製品として供給されるため、開封前の外装破損や有効期限の確認が欠かせません。保管場所は直射日光や高温多湿を避け、清潔な棚での平置き・立て置きなど施設の手順に従います。装着時は手指消毒後、包装の清潔操作(アセプティックテクニック)を徹底し、破損や穿孔を認めた場合は速やかに交換する運用ルールを整備してください。
手術用手袋の選定では、素材(ラテックス/ラテックスフリー)、パウダーの有無、サイズ展開、包装形態、在庫運用のしやすさを総合的に比較することが大切です。特にアレルギー対応や感染対策に関わる仕様は、施設の感染管理担当や臨床工学・手術部門と連携し、最終的な採用可否は医療機器としての適合性を踏まえて専門家(感染管理担当者・購買担当医療専門職など)に確認のうえ決定してください。