褥瘡(床ずれ)予防・ケアに使用するエアマット・体圧分散マットは、患者様や利用者様の状態、介護度、使用環境によって適したタイプが異なります。本ガイドでは、購買担当者が製品選定時に確認すべきポイントを整理してご紹介します。最終的な機種選定は、医師・看護師・理学療法士等の専門職の評価をもとに行ってください。
エアマット・体圧分散マットは、対象者の褥瘡発生リスクや既往歴、自立度に応じて選ぶことが基本とされています。一般的にリスク評価スケール(ブレーデンスケール等)の結果や、日常生活自立度、既存の褥瘡の有無を踏まえ、静止型のウレタンマットから多分割エアセルタイプまで段階的に検討します。施設内での使い分けルールを事前に定めておくと、選定・在庫管理がスムーズになります。
エアマットには、セル内の空気圧が一定の「静止型」と、一定間隔で圧を切り替える「圧切替型」があります。圧切替型はさらに、セル数(2列・3列など)や自動体位変換機能の有無によって特性が異なります。自動体位変換機能付きのタイプは、体位変換の介助負担軽減を目的として選ばれることがありますが、あくまで補助的な位置づけであり、定期的な体位変換や皮膚観察を代替するものではない点に注意が必要です。
マット選定では、幅・長さ・高さ(厚み)がベッドフレームやサイドレールと適合するかの確認が欠かせません。一般的な規格幅は83〜91cm程度、長さは190〜200cm程度、厚みは8〜15cm程度と製品によって幅があります。厚みが増すほど体圧分散性能は高まる傾向がありますが、その分ベッド柵との高低差が変化し転落リスクに影響する場合があるため、柵の高さ調整や隙間対策も併せて検討してください。また、耐荷重(最大使用者体重)の確認も必須です。
エアマットは電動ポンプで空気圧を制御する製品が多く、定期的な点検・清掃が性能維持に直結します。表面カバーは撥水・防水加工されたものが多いですが、体液・排泄物付着時は速やかに清拭・消毒し、施設の感染対策マニュアルに沿って管理してください。長期保管時は空気を抜いた状態で直射日光・高温多湿を避けて保管し、次回使用前に作動確認を行うことが推奨されます。医療機器としての管理が必要な機種もあるため、保守点検体制の整備も重要です。
エアマットは対象者の状態や医療的背景によって適否が分かれるため、購買担当者だけで機種を決定せず、医師・看護師・理学療法士・福祉用具専門相談員などの専門職と連携して選定することが望まれます。特に、既往の褥瘡治療方針や皮膚状態、体格、疼痛の有無によって適したタイプが変わるため、試用期間を設けて評価する運用も有効です。導入後も定期的なモニタリングと見直しを行い、状態変化に応じたマット変更ができる体制を整えておきましょう。