災害時や停電時、夜間の救護活動では、確実に点灯する照明器具と、傷病者を安全に搬送できる担架類の備えが欠かせません。本ガイドでは、病院・クリニック・介護施設・個人の防災担当者が備品選定で迷いやすいポイントを、用途別に整理して解説します。実際の選定にあたっては、施設の防災計画や専門業者への相談もあわせてご検討ください。
救護用品は「照明」「搬送」「合図・伝達」の3つの機能に大別されます。施設内での夜間巡回、避難誘導、傷病者の搬送など、想定する場面によって必要な機器は異なります。まずは自施設・自宅でどのような状況を想定するかを整理してから選定すると、過不足のない備蓄につながります。
照明器具は明るさ(ルーメン)、点灯時間、電源方式(乾電池・充電式)、防水性能などを比較して選びます。両手を使う作業が想定される場合はヘッドライト、広範囲を照らしたい場合はランタン、遠方まで照らしたい場合は懐中電灯が適しています。予備電池の備蓄や、複数の光源を組み合わせる備えも有効です。
担架やレスキューボードは、搬送対象者の体格、搬送経路の広さ(階段・エレベーター有無)、収納スペースを踏まえて選びます。素材や耐荷重、折りたたみ時のサイズも施設ごとに異なるため、実際の搬送動線で使用感を確認することが望まれます。遺体収納袋のような特殊用途の備品は、施設の運用マニュアルに沿って必要数を検討してください。
避難誘導や救助要請の際、声や音で存在を知らせる用品も重要な備えです。メガフォンは音量や電源方式、屋外での聞こえやすさ(サイレン機能の有無)を、呼子笛は携帯性や吹きやすさ、劣化しにくい素材かを確認します。停電時にも使用できる電池式・手動式の製品を組み合わせておくと安心です。
救急・災害備品は「いざという時に使えない」ことが最大のリスクです。定期的な点検と保管環境の管理により、機能を維持しましょう。特に電池切れや劣化は見落としがちなため、点検スケジュールをあらかじめ決めておくことをおすすめします。
救護用品は施設の規模、想定される被災シナリオ、対象者の状況によって最適な組み合わせが異なります。照明・搬送・伝達の3機能をバランスよく揃え、定期点検を組み込んだ備蓄計画を立てることが大切です。医療機器に該当する製品や専門性の高い搬送用品を選定する際は、最終的な機種決定について医療・防災の専門家にご相談されることをおすすめします。