キズの手当ては「洗浄→止血→保護」の3ステップが基本ですが、場面や創傷の状態によって必要な用品が異なります。適切な材料を事前にそろえておくことで、処置のタイムロスを減らし、感染リスクの低減にもつながります。本記事では、病院・クリニック・介護施設・在宅介護の現場担当者に向けて、創傷ケアに必要な基本用品を手順ごとに整理してご紹介します。
創傷ケアに使用する用品は、大きく「①洗浄・消毒類」「②止血・被覆材類」「③固定・テープ類」「④手袋・廃棄物処理類」の4カテゴリに分けられます。軽度の擦り傷・切り傷から、術後創・褥瘡・下肢潰瘍などの慢性創傷まで、創傷の深さや滲出液の量によって選択する用品が変わります。まず現場でよく遭遇するケースを洗い出し、それぞれに対応できるよう用品をセット化しておくと補充管理がしやすくなります。在宅介護の場合は、家族や介護スタッフが使いやすいシンプルな構成にすることも重要です。
創傷処置の第一歩は、創部を清潔にすることです。水道水や生理食塩水による十分な洗浄が感染予防の基本とされています。以下の用品をあらかじめ準備しておきましょう。
洗浄後は出血や滲出液のコントロールを行います。止血が不十分な状態で被覆材を貼付すると、交換頻度が増えたり感染リスクが高まったりするため、創の状態に応じた適切な材料選択が求められます。
止血・洗浄が完了したら、創部を外的刺激や乾燥・汚染から守るための被覆処置を行います。現在は「湿潤環境を保持した創傷治癒(モイストヒーリング)」の概念が広く普及しており、創の状態に合った被覆材の選択が重要です。最終的な被覆材の選定は医師・看護師などの専門家の判断に基づいて行ってください。
被覆材をしっかり固定し、ずれや剥がれを防ぐための固定材料も処置セットに欠かせません。皮膚の状態(脆弱・発汗・アレルギー歴など)に合わせて選択します。
同カテゴリでも製品によって特性が大きく異なります。現場の状況に合わせて以下の視点で選定することを推奨します。
創傷ケアは感染リスクと隣り合わせの処置です。用品の選択と同様に、取り扱い時の衛生管理が非常に重要です。以下の点を現場で徹底してください。
以下のチェックリストを活用して、施設・在宅での用品ストックを定期的に見直してください。
【洗浄・消毒類】
□ 生理食塩水(使い切りタイプ推奨)
□ 洗浄用シリンジ
□ 消毒薬(施設基準に準拠)
【止血・被覆材類】
□ 滅菌ガーゼ(乾燥・各サイズ)
□ アルギン酸塩 or 親水性ファイバー被覆材
□ ポリウレタンフォーム被覆材
□ ハイドロコロイド被覆材
□ 非固着性ガーゼ(シリコーン系)
□ 透明フィルムドレッシング
【固定・テープ類】
□ 医療用不織布テープ
□ シリコーン系粘着テープ(脆弱皮膚用)
□ 包帯(ガーゼ・弾性・ネット)
【衛生・保護用品】
□ 使い捨て手袋(サイズ別)
□ 使い捨て膿盆・処置シート
□ 感染性廃棄物袋
創傷ケア用品の最終的な選定・使用方法については、医師・看護師などの専門家の指示に従って判断してください。